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ロープワーク(結索)

えび結び、かいの口など、ロープワークは色々なシーンで利用されています。

平本 昭南

結びの歴史

結びの歴史は古く、遠く原始時代にもさかのぼると言われている。人が生活していく為、動物の皮、木のつる等を用いて、狩の道具、住居の建築、衣類に結びを用いた。

①元祖

現在、私たちが使用している結索(ロープワーク)の基礎を作った人々は、古代エジプトのナイル河を航行する「船乗り」といわれています。

②結索数

16~17世紀帆船時代に船乗り達の手で作られた結びは1種1種「大英海洋博物館」に登録されて、約4000種もあります。

③日本での普及

江戸期までの水軍、海賊等の水夫は、結びを親から子へ口伝で習得した。明治に入って、「海軍教育局」が教科書と附図の本を作り、海軍兵学校、海軍航海学校、海軍四等水平、海員養成所等で指導したので退官した兵隊や船員が日常生活で使い、一般に普及した。



◆ロープ各部の名称
 1本のロープに端末処理を行って蛇口 (アイスプライス)、縄、端、という区別して呼びます。(図1)
◆結び目のグループ
結びを簡単に記憶する方法は、「もやい結び」を結んで虫眼鏡を置き、中と外のロープが構成要素の何で出来ているかを考えると理解が早い。(図2)

結び目の構成要素

虫眼鏡の中は「結び目の構成要素」索、耳、輪、巻き、重ね巻き、の耳と輪が組み合わさって(結び動作が入る)出来ています。結びの中で果たす役割を考えると、「目」はその結びの中心であり、他の要素、体、元、手をまとめる役割を果たします。(図3)

結びの構成要素

虫眼鏡の外はそれぞれの役割があり「体」は、その結びの目的である対象物を自分の中に組み込み、「元」は対象物を引っ張り、「手」は末端である。虫眼鏡で見た「目」と外の「体」、「元」、「手」が合わさったものが結びの構成要素です。(図4)

結びの用途別分類

結びの構成要素(目・体・元・手)の役割と結びに用いられる目的、用途とを関連づけ考えた場合には7用途に分類されます。

 ①結節 一般にこぶを作る。

 ②結合 2本のロープを結び合わせる。

 ③結輪 輪を作る。

 ④結縮 ロープの中間で長さを縮める。

 ⑤結着 ロープを他の物に結びつける。

 ⑥結束 他の物をしばり合わせる。

 ⑦装飾 装飾を目的とした結び。



平成12年愛荘町立歴史文化博物館(林 定信 学芸員)で、「結びのはなし」の展示に使用した「結索」関係展示物多数あり。


結索ボード
主に海軍関係の結びを集めて結びの用途別分類を基に区分けして作った「結索ボード」です。
ワイヤの結び
主に工場で使われるワイヤのアイスプライス6種とスプライス1種合計7種。
鍵結び5種
鍵を外すとロープが1秒で使用できる。
マット
靴のドロ落し、花瓶、コースター等の下に敷くマットは、一本の ロープで結ぶ。結び目が美しく硬いので良く利用する。
目明し十手
十手の柄に「貝の口」、房に「えび結び」が結ばれている。 これは縄が不足した場合に、鍵を外すと1秒で使える。
アメリカ結び
トラックでの荷物運搬に結び。結ぶ時間と解く時間が早い。 (注)はたくと結びが解ける。

「結ぶ」という行為は、わたしたちの生活と決して切り離すことはできません。日頃、なにげなく行なっている動作の中にも、長い歴史と伝統に培われた美が存在しています。

わずか一本の紐が作り上げる形の中に、日本文化の伝統美が息づいています。飾り結びが国内外の数多くの人々に見ていただき、わが国文化の一端が理解されることを祈念いたしております。

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